老若男女を問わず、誰もが一つは持っているであろうバッグ、それがリュックです。
今回はそんなリュックの選び方から、簡単にサマになるコーディネートのポイント、実際にコーディネートした例まで、丁寧に紹介していきます。
リュックを使った夏コーデで重要なのは「ハズし」です。
この「ハズし」という言葉の意味も記事の中で解説しているので、しっかり読んでリュックコーデをものにしましょう。
この記事を読めば、リュックを背負ってお出かけしたくなること間違い無し。身近なアイテムでオシャレを楽しみましょう!
リュックを使ったオススメの夏コーデ
オーバーサイズTシャツ+テーパードスラックス

まずはオーバーサイズのTシャツとテーパードスラックスを合わせたコーディネートです。
リュックはシンプルな黒のものをチョイス。本体だけでなく、ベルトやジップまで黒で統一してあり、サイズ感も控えめなデイパックになっているので、リュックの中でも大人っぽいバランスになっています。
半袖Tシャツはカジュアルなアイテムでオーバーサイズになれば尚更子どもっぽくなりがちですが、光沢のある滑らかな生地感で少しキレイ目な印象もあるので着こなしやすいでしょう。
パンツは黒のテーパードスラックスにしてドレス要素を加えました。
細身のパンツで上半身とのメリハリをつけたところに、リュックを使って上半身をさらにボリュームアップさせてYラインシルエットを整えています。
テーパードとは裾に向かってだんだんと細くなっていくシルエットのことで、そういった形のスラックスをテーパードスラックスと言います。
これなら腿周りにゆとりがあって通気性もいいですし、裾が細くなっていることでパンツ自体がすっきりとした印象になるので、Yラインにするために無理して肌に密着するスキニーパンツを履く必要はありません。
なぜ、裾が細いだけで全体がすっきりした印象になるのかというと、3首と呼ばれる首、手首、足首は人の視線が集まりやすく、全体の印象を左右するポイントだから。
足首にあたる裾部分が細くなっていれば、他の部分がそこまで細くなかったとしても、裾部分の印象が強くなり、全体としてすっきり見えるというわけです。
靴はシルエットの邪魔をしないように細身でボリュームの少ないオペラシューズをチョイス。
パンツとシューズの色と合わせることで脚を一繋がりに見せて、脚長効果を狙いました。
シンプルなコーディネートの時は、レザーのような素材感に特徴があるものを合わせるだけでも地味になりすぎません。
最近のトレンドはシンプルなノームコアから装飾性を求めるものに少しづつ移り変わってきています。
そのため、柄やアクセサリーを取り入れられると着こなしがレベルアップするんですが、抵抗があるという人は、特徴的な素材感のアイテムを取り入れるだけでも装飾性を加えることができるのでオススメです。
また、半袖トップスを着るときは3首の一つである手首がガラ空きになって寂しい印象になるため、ブレスレットや腕時計をつけるようにしましょう。
アクセサリーに抵抗があるという人は腕時計だけでもつけてください。
着飾るだけのアクセサリーと違って、時間を見るという機能性のおかげで嘘臭くなりにくいので男性でも違和感なく取り入れることができるのでオススメです。
カジュアルなアイテムが多めのコーディネートですが、全体をモノトーンでまとめることで大人っぽい雰囲気にして、ハズしとしてリュックを取り入れました。
ちなみに、白のような明るい色は膨張色、黒のような暗い色は収縮色と言って実際よりも膨らんで見えたり、細身に見えたりします。
このコーディネートではボリュームを出したいトップスに白、すっきり見せたいパンツに黒を持ってくることでその効果を最大限に活かしつつ、リュックを背負うことでシルエットのメリハリを強調しました。
半袖シャツ+ハーフパンツ

続いては半袖シャツとハーフパンツを合わせたコーディネートです。
半袖トップスとハーフパンツということでカジュアル要素が多めですが、襟付きシャツで艶のある生地感のトップスを使うことでドレス感を保っています。
このシャツ、かなりかっちりして見えるんですが、実はジャージー素材。
伸縮性がありますし、速乾性や接触冷感などの機能もついているので夏でも快適に着られます。
見た目はほぼドレスシャツなので、夏コーデをキレイめにしたい時にこういうアイテムが一つあるととても便利です。
ハーフパンツはややゆったりしたものを選ぶことで足のラインを出さないようにしました。
裾幅との対比効果で脚が細く見えますし、膝から下の部分だけが見えることで全体が細いように錯覚させることができるんです。
人間は見えない部分を脳内で補完して理想的なものを想像します。
例えば、マスクで顔を隠している人がカッコよく見えたり、可愛く見えたりした経験がありませんか?
これは、マスクで隠れた鼻や口、輪郭を想像して理想的なものに補完しているから。
同じように、細い部分だけが見えていると見えない他の部分も細くなっているだろうと勝手に想像してくれるので、スタイルが良く見えるというわけです。
先程のコーデは色でシルエットを整えましたが、今回は足を細く長く見せるテクニックで下半身のボリュームを抑えて、リュックを背負うことでYラインを強調しました。
リュックは白で小さめのものをチョイス。
ベルトやポケットなどのディテールが多いですが、モノトーンで構成されていたり、ボディやベルトにツヤのあるナイロン素材を使っていたりと大人っぽく見せる工夫がされています。
上半身がネイビーでやや重たい印象なので、パンツも白にして夏らしく爽やかにしてみました。
白いパンツは難しそうという方も多いかと思いますが、他にも白いアイテムを何点か取り入れたり、上下をダークトーンで挟んであげたりするとまとまりやすくなるので試してみてください。
このコーディネートでは、トップスにツヤのある滑らかな素材、パンツはがさっとしたラフな素材、シューズは強い光沢のあるエナメル素材と様々な質感の素材をミックスすることで、無地のアイテムのみでも地味にならないようにしているのもポイントです。
トップスが半袖なので手首まわりのアクセサリーも忘れないようにしましょう。
ストライプシャツ+ハーフパンツ

最後はストライプのリネンシャツにハーフパンツを合わせたコーディネートです。リュックは最初と同じ黒のデイパックを合わせました。
リネンはサラッとした着心地で通気性も良いので長袖でも涼しく着用することができますし、腕まくりをして肌を見せることで夏らしい雰囲気になります。
リネンはシワがでやすくカジュアルな印象が強い素材ですが、シャツのディテールとストライプ柄で大人っぽさを出しています。
ストライプは無地に比べるとカジュアルではありますが、スーツスタイルでもよく使われるため、フォーマルな印象が強い柄です。
先程のコーディネートと同じようにハーフパンツで合わせていますが、ダークトーンのものを選んでいるので、もう少しキレイめな印象になっているかと思います。
また、ハーフパンツやショートパンツを履く時は、靴の履き口から見えない長さの靴下を選ぶのがポイント。
素肌が見えている部分をできるだけ多くすることで、すっきりと脚長に見せることができます。
靴下がほんの少し見えているだけでも野暮ったい印象になりますし、脚も短く見えてしまうので、ハーフパンツやショートパンツを履くときは見えない靴下を履くのがオススメです。
長袖シャツになっている分、トップスの面積が増えて上半身のボリューム感が出ているのでYラインのメリハリもつけやすくなりました。
こちらのコーディネートもシャツがリネン素材 、パンツはコットン素材、シューズはエナメル素材と異なる質感の素材を組み合わせていてコーディネートに奥行きを出しています。
ラフなんだけどカジュアルすぎず、程よく装飾性もあるコーデなので、彼女とデートなんてときにいいでしょう。
インナーに見えても良いTシャツやタンクトップを着用して、シャツを羽織にしたコーディネートも夏らしくてオススメです。
リュックとは
リュックはアウトドア発祥のカジュアルアイテム

リュックはもともとアウトドア用品から生まれたものでカジュアルなアイテムです。雪山などの厳しい環境を切り抜けるため、機能的に考えられた作りになっています。
食糧や寝袋などたくさんの荷物が入るように容量が大きいものが多いですし、ポケットがたくさんついていて必要なものをすぐに取り出せたり、重たい荷物の負荷を減らすために背負う形になっていて、肩ベルトにしっかりとしたクッションが入っています。
こういった機能性はファッションブランドなどから発売されているものにも残っていて、生活に必要の無い機能を削ぎ落としたり、街で使っていても違和感のないようにデザインが施されていたりしますが、やはり使いやすさでいうとバッグの中でもトップクラスです。
日常生活での使い勝手を考えると、リュックを一つ持っておいて損はないでしょう。
リュック、バックパック、デイパックの違いとは?
ここからは「リュック」「バックパック」「デイパック」の違いについて説明していきます。
両肩に背負う形のバッグってこの3通りの呼び方を目にすることがあると思うのですが、どう違うの?と思ったことがある方も多いはず。
実はリュックとバックパックは同じ意味で、ドイツ語か英語かの違いと言うだけです。
ただ、デイパックは名前に「デイ」とある通り、デイユース=1日用のバックパックという意味になって、ちょっと小型のバックパックのことを指します。
なので、「リュック」や「バックパック」と書いてあれば比較的大きめのもの、「デイパック」と書いてあれば小型のものを想像すると問題ないです。
ただ、このあたりの名前の定義はアパレル業界でも結構曖昧で、商品によってはこの法則に当てはまらないこともあり、小型のデイパックであってもリュックと呼ぶことも多くあります。
バッグ全体のサイズ感はコーディネートにも大きな影響があるので、手持ちのバッグを採寸してオンライン上の商品寸法と比較するか、心配な方は実際に試着してみるのが良いでしょう。
リュックの選び方

http://u0u1.net/VY4J
前の項目でも言ったように、リュックはアウトドア発祥のかなりカジュアルなアイテムなので適当にコーディネートするとサマになりにくいですし、みんなが持っているからこそ差別化してオシャレに見せることが難しいアイテムです。
しかし、選ぶときのポイントを押さえておけば、コーディネートしやすく、簡単にオシャレに見せることができます。
リュックを使いたいけど機能性だけでなくオシャレもしたい!という方は是非、これから解説する選び方を参考にしてみてください。
まずは小さめのデイパックがオススメ

初心者の方に選んで欲しいリュックは「デイパック」、つまり小型のものになります。
なぜなら、リュックとはそもそもカジュアルなもので、コーディネートの「ハズし」として使うものだからです。
例えば普段着で、ジャケット、シャツ、スラックス、革靴、とかっちりしたアイテムばかりで合わせると、フォーマルシーンのようにキメキメになりすぎてしまいますよね。
そういう時に、どこかにカジュアルな要素を入れてキメすぎにならないようにすることを「ハズし」と言い、普段着に相応わしいオシャレな印象にすることができます。
そのためのハズしアイテムの1つがデイパック、いわゆるリュックです。
なぜリュックの中でもデイパックのような小型のものがオススメなのかというと、基本的に日本人はデニムやパーカーを用いるような、カジュアルな服装をするから。
そういった服装に容量が大きくて、ポケットやベルトがたくさん付いているバッグを足すとカジュアル感が強くなりすぎてオシャレに見せるのは難しくなってきます。
なので、小型でコーディネートがカジュアルになりすぎず、ハズしすぎないデイパックがオススメなんです。
特に夏は半袖やショートパンツなどカジュアルなアイテムを着用することが増えるので、ハズすと言うよりはハズしすぎにならないように気をつけることが重要になってきます。
というわけで、これからリュックを選ぶ方は大きいリュックやバックパックではなく、まず小型のデイパックを買うことをオススメします。
色はモノトーン、デザインも最小限に
サイズ以外にも気を付けるポイントがいくつかあります。
まず、色はモノトーンを選びましょう。モノトーンとは無彩色のことで、黒と白、その間のグレーのことを指します。
ファッションにおける基本的な色で、冠婚葬祭などの公式な場でのスーツスタイルにも用いられるため、ドレス感が強く、大人っぽい印象にすることができる色です。
逆に派手な色は子供っぽく、カジュアル印象になるので、基本的にカジュアルな服装になりがちな日本人はモノトーンのデイパックを選ぶといいでしょう。
また、デザインについても、色の切り替えやポケットなどのデザインが少ない、大人っぽいものがオススメです。
例えば、幼稚園児などが背負っているリュックを想像してもらうと、青やピンクなどの派手な色使いで、大きなポケットがついていたり、キャラクターの絵があったりとデザインが多いですよね。
また、アウトドア用のリュックも必要なものをすぐに取り出せるようにポケットがたくさん付いていてかなりカジュアルです。
こう言ったアイテムでもオシャレに見せる方法がない訳では無いですが、カジュアルになりがちで大人っぽさが必要な日本人がコーディネートに採り入れるのは難しくなっています。
そのため、初心者は色の切り替えやデザインが少ない、大人っぽいものを選ぶのがおすすめです。
後はシルエットが若干細身であること。
細いと言っても細長いものを探せというわけでは無く、丸っこくない、ボリューム感が少ないシルエットのものだと大人っぽく見えるので、選ぶときには気をつけて見てみましょう。
背負ったときにコーディネートのシルエットを崩しにくく、合わせるアイテムの幅が広がるのもポイントです。
まとめると、小型のデイパックを選び、色はモノトーンで、デザインや色の切り替えが少ないものを選びましょう。
併せて、少し細身のものを意識すると、大人っぽくて、色んなコーディネートに合わせやすいバッグが手に入ります。
具体的なオススメアイテムは以前書いたこちらの記事やYouTubeの動画でも紹介しているので、手っ取り早く何を買えばいいのか知りたい!という方はこちらもチェックしてみてください。
リュックを着こなすためのポイント
ここまでリュックを選ぶときの注意点を解説してきましたが、次はコーディネートに取り入れるときのポイントを紹介していきます。
着こなしのポイントは大きく2つあって、「全体のシルエットをYラインに整えること」と、「リュック以外のアイテムでドレス感を強くすること」です。
全体のシルエットを「Yライン」に整える

まず、コーディネート全体のシルエットについて解説していきます。
メンズファッションでオシャレに見せるためにはいかにスタイルを良く見せるかが大切。
欧米人がかなりカジュアルな着こなしをしてもサマになって見えるのは、手足が長く、顔が小さい恵まれた体型であるというのが一つの要因です。
しかし、体型に恵まれない日本人がオシャレが出来ないかというと、もちろんそんなことはありません。
そのためのテクニックが、コーディネート全体のシルエットをA、I、Yラインに整えることなんです。
各シルエットについて簡単に説明するとこんな感じになります。
- Aラインシルエット:上半身のボリュームが小さくて下半身のボリューム が太い、アルファベットの「A」のような形をしたシルエット
- Iラインシルエット:上半身も下半身もボリュームが小さい「I」のような形をしたシルエット
- Yラインシルエット:上半身のボリュームが大きくて下半身のボリュームが小さい「Y」のような形をしたシルエット
この3つのいずれかにコーディネート全体のシルエットを整えることで、スタイルをよく見せることができます。
リュックは背負うものなので、上半身のボリュームを大きく見せる効果があります。
ということは、上半身を小さく、下半身を大きくするAラインや、全身を細身にするIラインに使おうとすると全体のシルエットが崩れてしまって、リュックを合わせるのに向いていないのがお分かりいただけるでしょう。
Yラインシルエットは上半身と下半身のボリュームにメリハリをつけるほどスタイルが良く見えるので、上半身にボリュームを持ってこれるリュックはぴったりのアイテムになっています。
リュック以外のアイテムでドレス感を強くする

続いてのポイントは、リュックのカジュアル感を抑えて大人っぽく見せることです。
はじめに、リュックはハズしとして使うもの、ということを説明したかと思いますが、そうした大人っぽいコーディネートに取り入れることでリュックのカジュアルさがうまく働いてオシャレに見せることができます。
なので、リュックを使ったコーディネートをするときは他のアイテムを出来るだけ大人っぽいアイテムにした方がサマになりやすいです。
例えば、Tシャツ、短パン、サンダルにリュックではカジュアルすぎてバックパッカーのようになってしまいますよね。
ここまで極端ではないかもしれませんが、かなりカジュアルな着こなしにリュックを合わせている人を見かけることは意外と多いです。
トップスを襟付きのシャツしたり、ボトムスを黒スキニーやスラックスにしたりと上下どちらかを変えるだけでも街着としてオシャレな着こなしになりますし、夏にカジュアル過ぎる人が増える中で差別化もできます。
これからの時期には暑くてそんなの着れないよって方もいるかもしれませんが、リネンなどの夏向けの素材を選ぶことで暑さはだいぶ変わります。
また、最近は機能性素材のおかげで快適さと大人っぽい見た目が両立できるアイテムも数多くあるので、うまく活用すると良いでしょう。
まとめ
うまく使えばオシャレと機能性の一石二鳥なリュックの魅力が伝わったでしょうか。
ぜひこの記事を参考にして、リュックを使った夏のコーディネートを組んでみてください!
ということで今回はリュックを使った夏コーデを紹介しました。
読んでいただきありがとうございました。
バイバイッ‼