身長のせいでワイドパンツが似合わない、チャレンジしたいけど難しそうで手が出せないという方は多いんじゃないでしょうか。
僕自身、ゆったりしたコーディネートが好きでワイドパンツもよく履きますし、自分のブランドでも何度もワイドパンツを作っているので、こういったお悩みを聞くことも多いです。
なので、今回は低身長の方に向けたワイドパンツの着こなし方を紹介していきます。
この記事ではワイドパンツの選び方からサマに見せるテクニック、実際の着こなしまで丁寧に解説しているので是非参考にしてみてください。
ワイドパンツが着こなせるようになると着こなしの幅がグンと広がりますし、雰囲気のあるコーディネートが作れるようになります。
まだワイドパンツを履いたことが無い、ワイドパンツに興味があるけど手が出せないという方は、これを機にぜひチャレンジしてみましょう!
低身長でもサマになるワイドパンツコーデ
春にオススメのワイドパンツコーデ
上下ともにゆったりとしたシルエットで基本のAIYラインから外れていますが、ロールアップで先端部分だけは細くしてオーバーサイズ感が強すぎないようにしました。
これは丸みを帯びたタマゴ型のOラインシルエットと言って、ワイドテーパードパンツを合わせると簡単に作れるので試してみてください。
パンツに注目してもらうと太腿あたりはかなり太いですが、裾にいくにつれてかなり細くなっているテーパードシルエットなのがわかるかと思います。
先ほども説明した通り、体の先端にあたる3首は全体の印象を決める重要なポイントです。
今回はパンツがテーパードシルエットであることに加えて、袖と裾をロールアップしてすっきりとさせています。
こんな感じで、先端が細いだけでゆるいシルエットであってもコーディネートがまとまって見えます。
ワイドパンツ入門者の方はまずこのコーディネートを覚えてみてください。
また、こちらのパンツはテーパードシルエットで裾がしっかりと細くなっているので、それを活かすためにボリュームの少ないスニーカーを合わせているのもポイントです。
こちらのスニーカーはアッパー部分もソール部分も非常に薄くなっていて横幅も細身なので、スニーカーではありますが、シルエットだけ見る革靴のようなシルエットになっています。
スニーカーが細身だと太腿から裾にかけてのテーパードシルエットを崩さず、下半身のシルエットをキレイに繋いでくれます。
この時、パンツの裾部分にクッションができてしまうとシルエットが一気に崩れてだらしない印象になってしまうので注意してください。
クッションとは靴の上にパンツの裾が溜まることで、靴の上にパンツの裾が乗って、ぐしゃぐしゃと溜まっていると下半身のボリュームが大きくなり、よりルーズな印象になります。
特に低身長の方はゆったりしすぎたシルエットだと子供っぽく服に着られているような印象になりがちなので、慣れないうちはクッションがつかないものを選んでみてください。
こちらのコーディネートはシルエットがリラックスしていてトレンドライクなコーディネートのですが、若干シンプル過ぎる印象になりやすいので腕時計やアクセサリーを着けるのはもちろん、スニーカーも黒単色のものではなく白紐のスニーカーを選んでいるのもポイントの一つです。
夏にオススメのワイドパンツコーデ
ジャストサイズの半袖TシャツとワイドスラックスでAラインシルエットを作ったコーディネート。
夏場は薄着になるので上半身のボリュームが小さいAラインシルエットが作りやすくてオススメです。
Aラインとは上半身のボリュームが小さくて、下半身のボリュームが大きいシルエットのことで、上下のメリハリをつけることでスタイルを良く見せることができます。
ジャストサイズのトップスは体のラインが出て、腰位置が分かりやすくなるものですが、トップスとパンツを同色でまとめれば上半身と下半身の境界線が分かりにくくなるのでその点もカバーできます。
上下ともに黒の収縮色になっていて、Aラインのメリハリが分かりにくかったので、ボリュームがあり、切り替えのデザインで目立ち易いスニーカーで視線を誘導しました。
シルエットが中途半端な印象の時は、目立つ小物などで視線を誘導することでその部分の印象が強くなるので覚えておくと良いでしょう。
派手に見えますが、色的にはグレーで統一されているのでと色数を増やさずに装飾性を加えることが出来ます。
パンツは裾までどかっと太いものを選び、裾にクッションがつけることで、さらにルーズな印象を強調しました。
裾をすっきりさせるためクッションをつけないようにしていましたが、Aラインシルエットなら少しクッションをつけた方がシルエットにメリハリが出ます。
半袖で手首まわりが剥き出しになって目立つので、腕時計をつけました。
Tシャツとワイドパンツでカジュアルすぎると思うかもしれませんが、上下ともに艶のある素材にしたり、モノトーンで統一したりして大人っぽさを担保していますし、夏はカジュアルな服装の人が大半なので、このくらいのドレス感でも十分差別化してオシャレに見せることができますよ。
秋冬にオススメのワイドパンツコーデ
明るい色のワイドテーパードパンツを使ったコーディネート。
秋冬はニットやロングコートなどドレスライクなアイテムが多いので、こういったベージュなどの落ち着いた色味のあるワイドパンツでも合わせやすいでしょう。
ダークトーンのアイテムが多くなりがちでもあるので、気分も変えられていいですね。
今回のコーディネートではワイドパンツがカジュアルなので、フードのついたロングコートと艶のあるハイゲージニット、レザーのシューズとバッグで大人っぽさを加えて、色も黒で統一しています。
大きめのフードは顔まわりにボリュームが出ることで小顔効果があり、スタイルをよく見せられるのでオススメです。
顔まわりにボリュームが出ないチェスターコートなどを合わせるときは、ストールを巻くことで同じように小顔効果が期待できるので覚えておいてください。
八頭身という言葉があるように、顔の大きさはスタイルの良さを測る基準です。
顔を小さく見せることでかなりスタイルを良く見せることができるので、是非覚えてください。
ロングコートは面積が大きい分、コーディネートがのっぺりしがちですが、ハイゲージニットやレザーなど、素材感の異なるアイテムを取り入れることで変化をだしています。
ハイゲージニットとは細い糸で高密度に編んだニットのことで、ウールの艶が出やすくとても大人っぽいニットです。
反対にローゲージやミドルゲージのニットだと編み地が大きくざっくりしているのでカジュアルな温かみのある雰囲気になります。
このニットはユニクロのエクストラファインメリノウールをという質の高いウール素材を使ったもので、艶と確かな高級感があるのでとてもオススメです。
このくらいきれいめなインナーを着ていると、コートを脱いだとしても大人っぽさが担保されるので、デートなんかにもちょうど良いでしょう。
明るい色味でカジュアル感の強いワイドパンツでもこんな風にすれば着こなすことが出来ますよ。
低身長だとワイドパンツは着こなせない?
ワイドパンツは確かに適当に合わせてサマになるアイテムではないですし、細身のパンツに比べると着こなしのハードルは高くなりますが、低身長だからといって着こなせないというわけではありません。
ワイドパンツを履いていまいちオシャレに見えないのはスタイルが悪く見えてしまったり、だらしない印象が強く着せられているように見えてしまうからです。
低身長の人はこの印象がさらに強くなりがちなので、ワイドパンツが似合わないと思うことが多いのではないでしょうか。
しかし、細身のパンツだけではコーディネートがマンネリになってしまいますし、身長だけで着られるアイテムを減らしてしまうのはもったいないですよね。
先程挙げた点は着こなしでカバーすることが可能ですし、低身長でもワイドパンツでオシャレをすることはできます。
ビッグシルエットのトレンドもあり、着やすい環境になってきているので、これを機にワイドパンツに挑戦してオシャレの幅を広げてみましょう。
着こなしやすいワイドパンツの選び方
ワイドテーパードシルエットのものを選ぶ
ワイドパンツというと上から下までドカンと太いものをイメージしますが、腿周りが太く、裾が細くなっているワイドテーパードという形もあります。
なぜ、ワイドパンツの中でもテーパードシルエットのものがオススメかというと、裾が細くなっていることで全体の印象がスッキリして、大人っぽく見えるからです。
オシャレに見せるためには大人っぽさが重要ですが、大人っぽさの究極の形はスーツスタイルです。
セットアップやシャツなどのアイテム、艶のある素材や体にぴったりと合わせたサイズ感などで大人っぽさが演出されています。
逆にワイドパンツはシルエットがゆるいことでカジュアルな印象が強いアイテムですが、どこかで大人っぽい要素が入ったものを選ぶことが着こなしやすさにつながります。
そこで、裾がキュッと細くなっていて、ワイド感が軽減されるワイドテーパードのシルエットがぴったりなんです。
どうして裾が細いと全体の印象がすっきりするかというと、パンツの裾は体の先端にあたる3首(首、手首、足首)に位置していて、視線が集まりやすい場所になっているから。
足首部分が細いテーパードシルエットであれば、ワイドパンツであったとしてもスッキリと細く見えるものです。
もちろん裾以外は太いためワイドパンツを履いてる印象が完全に消滅するというわけではありません。
裾まで太いワイドパンツと比べて、ワイドテーパードパンツの方がスタイルを崩さずにワイドパンツを履いている感が出せるため、低身長の人でも着こなしやすいというわけです。
特に、初心者や初めてワイドパンツに挑戦するという方はワイドテーパードパンツを選ぶことをオススメします。
落ち感のある素材を選ぶ
落ち感のある素材とは重力に逆らわず、滑らかにストンと落ちるような見た目の素材です。具体的には薄手で柔らかく、少し重みのある素材は落ち感があると言っていいでしょう。
逆にデニムやチノ素材のようにゴワっとした質感のものは落ち感がない素材で、ハリ感がある素材ともいいます。
落ち感のない素材は洋服自体のシルエットがそのまま反映されるので、ワイドパンツだとドカっと太いシルエットが余計に強調されてしまい、着こなしのハードルが上がってしまうんです。
落ち感のある素材だとストンっと地面に向かって流れるように落ちることによって、ワイドパンツだったとしても太い印象がかなり軽減され、着こなしやすくなります。
ワイドな印象が減ると言っても、スキニーやスリムパンツに比べればまだまだ太く見えますし、コーディネート全体の印象は変わるので、ワイドパンツを選んだ意味がなくなるわけではありません。
また、落ち感のある素材は同時に艶があることも多いので、コーディネートの印象をさらに大人っぽくすることもできるでしょう。
色は黒のものを選ぶ
これまでの項目でも、ワイド感が強調され過ぎないアイテムを選ぶことで着こなしやすくなるとお伝えしましたが、さらに、黒のワイドパンツを選べば、スマートな印象にすることができます。
黒は収縮色と言って細く見える色なので、同じシルエットのパンツだったとしても黒のほうがより細く見えるんです。
メンズは黒のパンツが圧倒的に多いので、太めのワイドパンツであったとしても突飛な印象を与えにくいというメリットもありますし、視覚的にも重い印象のある色が下半身に来ることで安定感のある着こなしになります。
また、黒は他の色よりも大人っぽいフォーマルな印象を与えてくれる色です。
ワイドパンツでコーディネートした際も、強制的に大人っぽく見せてくれてバランスを保ってくれるので着こなしが簡単になります。
さらに、落ち感のある素材で色が黒だと艶感が分かりやすく、より大人っぽい印象にしてくれるのでとてもオススメです。
シンプルなデザインのものを選ぶ
切り替えやデザインがあるアイテムはそれだけカジュアルな印象になり子供っぽく見えがちです。
ただでさえゆったりとしたシルエットでカジュアル感のあるワイドパンツは、他の要素において出来るだけ子供っぽいイメージを減らした方が着こなしやすくなりますし、低身長の人なら尚更大人っぽさを意識した方が良いでしょう。
また、デザインがあるとその部分が目立ちやすく、コーディネイトの中でもパンツに視線が集中するので、パンツのワイド感がより目立ってしまい着こなしのハードルが上がるというわけです。
なので、デザインは切り替えやポケットなどの無いシンプルなものを選びましょう。
以上、4つがワイドパンツを選ぶときのポイントになります。
これを意識することでコーディネートがグッと簡単になるので、ワイドパンツを探すときはぜひこの点に注目してみてください。
着こなしテクニック
シューズの色をパンツと合わせる
まず1つ目はパンツの色にシューズの色を合わせて同色にすること。
例えば写真のようにパンツとシューズの色を黒と黒で合わせると、どこまでがパンツでどこまでがシューズかわからなくなり、パンツとシューズの境界線が曖昧になることで下半身全体が繋がって見えます。
シューズを履いている“足“とパンツを履いている“脚“の境目をなくすことで一体化したように見せて、実際よりも長く見せることができるのです。
パンツとシューズの色が違うと、境界線がはっきりと見えるので脚の長さがそのまま見えてしまいます。靴の高さを地面からくるぶしまでとしたら、少なく見積もっても5、6cmはあるので、その分脚が長く見えるとなると大きな違いですよね。
実際に足の長さや身長を伸ばすことはとても難しいですが、こんな風に見た目の雰囲気で長く見せることで、低身長でもワイドパンツでサマになる着こなしをすることが出来ます。
トップスの色をパンツと合わせる
2つ目のテクニックはトップスとパンツを同色にすること。
先程のパンツとシューズを同色にするのと同じで、一繋がりにして長く見せるという理屈です。
しかし、こちらはトップスとパンツの境界線を曖昧にして繋げるので、パンツとシューズの色を合わせるよりも効果はアップします。
なぜかと言うと、単純にコーディネート全体に対して占める割合が大きくなるからです。
また、上半身と下半身の境界線が分かりにくくなることで、腰の位置がわかりにくくなるという効果もあります。
人は見えない部分を脳内で補完して理想的なイメージを作るものです。
例えばマスクを着けている人がいたとしたら、女性だったらよりかわいく見えたり、男性だったらよりカッコよく見えたりした経験はありませんか?
それと同じように、腰位置を隠すことで理想的な腰位置を勝手にイメージして、スタイルがいいように錯覚してくれるんです。
さらに、コーディネートの色数が減ることでカジュアルになりすぎないこともこのテクニックの利点の一つ。
大人っぽさの象徴であるスーツスタイルは白や黒のモノトーンが基本で、色数が増えるほどカジュアルな印象になっていきます。
そして、上下で揃えたような印象はセットアップのスーツのようにかっちりした雰囲気にすることができるので、大人っぽさを担保して低身長の子どもっぽさを打ち消してくれるでしょう。
ただし、ほぼ全身が同色になり、のっぺりとした地味な印象になりがちなので、シューズやアクセサリーなどで少し装飾性を加えるとよりオシャレです。
ワントーンコーデというと少しハードルが高いように感じますが、まずは白や黒などのモノトーンを使うようにすればそれほど難しくないのでぜひチャレンジしてみましょう。
Aラインシルエットに整える
3つ目は全身のシルエットをAラインに整えることです。
Aラインシルエットとは、上半身のボリュームが小さくて下半身のボリュームが太い、アルファベットの「A」のような形をしたシルエットのことを言います。
これ以外にも、上下細いIラインシルエット、上が大きくて下が細いYラインシルエットがあり、このいずれかの形にシルエットに整えることで、スタイルを良く見せることができます。
ワイドパンツを履くとどうしても下半身のボリュームが大きくなるので、Aラインシルエットがオススメというわけです。
Aラインシルエットは上下のメリハリがついているほど、スタイルが綺麗に見えます。
なので、トップスは出来るだけコンパクトなものを選んだ方がいいんですが、かと言ってピタピタに細いものを選ぶ必要はありません。
コーディネートにおける上半身に見える面積を減らせばいいので、丈や袖が長すぎないトップスを選ぶことを心がけましょう。
トップスの裾をタックインする着こなしもAラインにはもってこいですし、クラシカルな雰囲気で大人っぽさとトレンド感を取り入れることもできます。
また、長袖を着るときは袖をロールアップすることで上半身の面積を減らしてAラインのメリハリを強調することもできるので、シルエットが中途半端だなと感じたら試してみてください。
というわけで、ワイドパンツでコーディネートを考えるときは上半身はコンパクトにまとめてAラインシルエットを作りましょう。
小物を取り入れる
4つ目は小物を意識して取り入れましょう、ということです。
特に3首と呼ばれる、首、手首、足首はちょっとした工夫でも大きく印象が変わってくる重要な部分になので、コーディネートを組む際には意識しておいた方がいいでしょう。
例えば、秋冬なら首にストールを巻くと顔まわりにボリュームが出て相対的に顔が小さく見え、スタイルがよく見えます。
なぜか顔が小さいとスタイルがよく見えるかというと、モデルのような理想的な体型を「八頭身」と言うように、顔の大きさがスタイルの良さを測る基準になっているからです。
暑い時期にストールを巻くのは流石に厳しいので、帽子やメガネなど顔まわりに小物を取り入れるだけでも若干の小顔効果が期待できます。
また、半袖のトップスを着た時に手首に何もついていないと寂しい印象になってしまうので、腕時計やバングルなどのアクセサリーをつけるのがオススメです。
目立つ部分にアクセサリーをつけることで視線が集まりやすくなるので、身長や体型といった全体の印象をぼかすことが出来ますし、シンプルなコーディネートのアクセントにもなってくれます。
こう言った小物類は大人っぽさとは別の軸で子どもっぽさを打ち消しつつ、オシャレな雰囲気にしてくれます。
子供はアクセサリーや腕時計をつけませんよね。
逆に足元は目立たないように細身の靴を履いたり、境界線を目立たせない色を選んだりすることで視線を逸らしてスタイルアップすることもできるでしょう。
かなり細かい部分ではありますが、コーディネート全体の印象を大きく左右するポイントなのでしっかりと意識しておいてください。
低身長でもワイドパンツを着こなせる!
ワイドパンツが着こなせるようになると、オシャレの幅がぐんと広がりますし、意外と難しくないので今回紹介したテクニックや着こなしを活用して、ぜひワイドパンツにチャレンジしてみてください!
というわけで今回は、低身長の方に向けたワイドパンツの着こなし方を紹介しました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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