ワイドパンツは取り入れるだけでトレンド感が出せるアイテムです。
しかし、選び方を一歩間違えてしまうとサイズ選択を誤っているように見えてしまったり、コーディネートがなかなかサマにならずせっかく購入したのにクローゼットの中で眠ってしまうなんてことも起こりがち。
細身のパンツならジャストサイズを選べばいいですが、やはりそれだけだと飽きてきてしまいますし、これからの時期にはピタッと肌に張り付く感覚が不快になってしまうこともあります。
スキニーパンツなんかは履く人の体型も選ぶので取り入れづらい人もいるでしょう。
しかしワイドパンツであれば体型や身長に関係なく履きこなすことができますし、ゆったりとしていて風通しもいいので夏でも快適なんです。
この記事ではワイドパンツについて、選び方から着こなしのポイント、実際のコーディネートまで紹介していきます。
この夏はぜひワイドパンツに挑戦してみましょう!
ワイドパンツを使った夏コーディネート
白シャツ+ワイドテーパードパンツ
まず最初はロング丈の白シャツとワイドテーパードパンツを合わせたコーディネート。
上下ともにゆったりとしたシルエットで基本のAIYラインから外れていますが、ロールアップで先端部分だけは細くしてオーバーサイズ感が強すぎないようにしました。
パンツにも注目してもらうと太腿あたりはかなり太いですが、裾にいくにつれてかなり細くなっているテーパードシルエットなのがわかるかと思います。
A、I 、Yラインとはコーディネート全体のシルエットを表していて、それぞれのアルファベットのような形にすることでスタイルをよく見せることができます。
今回のコーディネートはこの3つに当てはまっていないOラインシルエットと言って、丸みを帯びたタマゴ型のゆったりしたシルエットなんですが、足首や手首などの先端部分をすっきりとさせることでシルエットを整えて、スタイルを隠すことができるシルエットです。
体の先端にあたる首・手首・足首は3首と呼ばれ、全体の印象を決める重要なポイントです。
今回はパンツがテーパードシルエットであることに加えて、袖と裾をロールアップしてすっきりとさせています。
また、人は見えない部分を脳内で保管して理想的な体型を想像するものです。マスクをした人が普段よりかっこよく見えたり、可愛く見えたりした経験がありませんか?
自信がない部分をカバーしつつ、目立ちやすい手首や足首の細い部分だけを見せることで全体の印象がすっきりしていると錯覚させることができるんです。
こんな感じで、先端が細いだけでゆるいシルエットであってもコーディネートがまとまって見えるので、ワイドパンツ入門者の方はまずこのコーディネート覚えてみてください。
長袖長ズボンでも手首や足首を出して肌を見せることで夏らしい印象を出すことができるので鏡の前で試してみましょう。
また、下半身のシルエットを崩さないようにボリュームの少ないスニーカーを合わせているのもポイントです。
こちらのスニーカーはアッパー部分もソール部分も非常に薄くなっていて横幅も細身なので、スニーカーではありますが、シルエットだけ見ると革靴のようなシルエットになっています。
スニーカーが細身だと太腿から裾にかけてのテーパードシルエットを崩さず、下半身のシルエットをキレイに繋いでくれます。
この時、パンツの裾部分にクッションができてしまうとシルエットが一気に崩れてだらしない印象になってしまうので注意してください。
クッションとは靴の上にパンツの裾が溜まることです。靴の上にパンツの裾が乗って、ぐしゃぐしゃと溜まっていると下半身のボリュームが大きくなり、よりルーズな印象になります。
ここでも3首が効いていて、目立ちやすい足首の部分がだらしなくなっていると全体がだらしなく見えてしまうという話です。
特に低身長の方はゆったりしすぎたシルエットだと子供っぽく服に着られているような印象になりがちなので、ワイドパンツを選ぶ際はクッションがつかないテーパードシルエットのものを選んでみてください。
こちらのコーディネートはシルエットがリラックスしていてトレンドライクなコーディネートのですが、若干シンプル過ぎる印象になりやすいので腕時計やアクセサリーを着けたりしてアクセントを加えましょう。
スニーカーも黒単色のものではなく、白紐のものを選んでいるのもポイントの一つです。
最近のトレンドはシンプルなノームコアから装飾性を良しとするのものに移行してきています。
数年前ならそのままでも良かったんですが、これからは少しずつアクセサリーなどで装飾性を足すようにするとよりオシャレに見えやすくなるでしょう。
ワイドパンツはサラッとした通気性のいい生地のものを選ぶと、より快適に過ごすことができます。
生地が多く重たい印象になりそうですが、ロールアップで足首を見せることでそれも軽減できますし、生地が肌に引っ付かないので涼しいですよ。
白Tシャツ+ワイドテーパードパンツ
二つめは白Tシャツとワイドテーパードパンツを合わせたコーディネートです。
先程のコーディネートと同じように上下ゆるいシルエットですが、Tシャツとパンツの素材を艶のあるものにすることで大人っぽさを担保しています。
例えばこのコーディネートが艶のない T シャツやガサっとしたした風合いのチノ素材のワイドパンツだったりすると、全身がカジュアルすぎて子供っぽく見えてしまい、おしゃれに見せることは難しくなります。
また色味もモノトーンに統一することでカジュアル感を打ち消しています。
大人っぽさの象徴であるスーツスタイルは黒か白のモノトーンが基本です。
カジュアルなアイテムであっても、色味をスーツスタイルに寄せることでドレスライクに見せることができます。
こういった感じで、素材や色で大人っぽい要素を取り入れてあげると雰囲気が出てオシャレに見えるのでぜひ参考にしてみてください。
シルエットも先程と同じくOラインになっています。
袖周りの太さとのギャップでそこから見える腕が細く見えるため、ロールアップした時のように先端で細い印象にすることが可能です。
パンツのテーパードシルエットと合わせて、丸みのあるタマゴ型のシルエットができました。
足元はグルカサンダルで夏らしさを加えつつも、レザーの質感や細身のシルエットで革靴のようなかっちりした雰囲気も加えています。
また、半袖になると3首にあたる手首周りに何も無くなって、そのままだとがらんと空いたような印象になってしまいます。
夏は特に手首部分が非常に目立つので、半袖のアイテムを着用する際はアクセサリーや腕時計をつけてみてください。
先程も言ったように、最近のトレンドは装飾性を求めるものに移行してきているので、少しずつアクセサリーや柄などを取り入れていくのがオススメです。
真夏ならこのくらいのラフさでも十分に差別化できてオシャレに見えるでしょう。
サマーニット+ワイドスラックス
最後は半袖のサマーニットに裾まで太いワイドスラックスを合わせたコーディネート。
トップスはややゆるめのサイズ感ですが、裾までしっかり太いパンツを選ぶことでAラインシルエットにしています。
Aラインシルエットとは、上半身のボリュームが小さくて下半身のボリュームが太いシルエットのこと。
その他には I ラインシルエット・Y ラインシルエットというものがあって、このシルエットのいずれかにすることでスタイルをよく見せることができます。
今回は上半身のボリュームを小さく見せるために袖をロールアップ、裾をタックインして着丈も短めに見せることで上半身をコンパクトに見せました。
袖や裾の部分を下ろしているとそんなにコンパクトなシルエットではありませんが、Aラインにするためにこういった微調節をしてシルエットにメリハリをつけています。
そして、Aラインシルエットのメリハリをさらに強調するためにかなり太めのワイドパンツを合わせました。
先に紹介した二つのコーディネートではテーパードシルエットのワイドパンツを合わせていましたが、それだと裾が細くなってすっきりした印象になるので下半身のボリューム感が弱く、Aラインシルエットにしづらいです。
靴も白スニーカーを使うことでボリューム感をさらに強調しました。
白は膨張色で実際よりも大きく見える色ですし、スニーカー自体にボリュームがあることでパンツの裾にクッションができて、よりルーズな印象になっています。
これも先程までのコーディネートとは真逆で、テーパードパンツの時はすっきりとした印象を強調するためにロールアップをしてクッションがつかないようにしたり、足首を見せたりしていました。
これはどちらが正しいというわけではなく、コーディネートに合わせて変えていくのが重要です。
トップスとパンツで出来たシンプルなコーディネートですが、ニットの素材感によって装飾性が加えられていて地味に見えません。
ただし、半袖だと手首周りがやっぱり寂しいので腕時計やアクセサリー類は忘れずにつけましょう。
半袖のトップスにゆるいパンツに白のスニーカーとカジュアルなアイテムがばかりですが、トップスはニットなので艶があり、パンツも落ち感があって、艶が分かりやすいものを選んでいます。
素材感で大人っぽさを担保することで、カジュアルで子供っぽい印象になりすぎないようにバランスをとりました。
代表的なワイドパンツの種類
ワイドパンツとは幅が太いパンツのことで、素材やその他のデザインに関係なく呼ばれる名称です。なので、コットンでもウールでもジーンズでもスラックスでも幅が太ければワイドパンツと呼ばれます。
ワイドパンツはゆったりしたサイズ感のビッグシルエットな着こなしを作るのにうってつけのアイテム。ビッグシルエットはここ数年ずっと言われているトレンドで、徐々に定番になりつつあるのでチャレンジするなら今がチャンスです。
一言でワイドパンツと言っても様々なものがありますが、代表的なものを5つ紹介していきます。
1.ワイドストレート
ワイドストレートパンツは、腿周りから裾までドカンと太いシルエットのパンツです。
ワイドパンツといえばこの形を想像する人が多いんじゃないでしょうか。
ワークパンツなどで作られることが多いシルエットで、ワイド感が強く、男らしい印象になります。
下半身にしっかりとボリュームが出せるため、Aラインシルエットの時に着用するのがおすすめです。
ただし、ワイド感が強いと見慣れるまで違和感が出やすく、着せられているような印象にもなりがちなのでサイズ選びやコーディネートに注意が必要になります。
2.ワイドテーパード
ワイドテーパードパンツは、腿周りは太く、裾に向かってだんだんと細くなっていくシルエットのパンツです。
裾の部分が細くなっていてすっきり見えるため、ストレートのものに比べるとワイド感が強すぎず、着こなしやすいシルエットになっています。
どうして裾が細いだけで全体の印象がすっきりするかというと、パンツの裾は体の先端にあたる3首に位置していて、視線が集まりやすい場所になっているから。
足首部分が細いテーパードシルエットであれば、ワイドパンツであったとしてもスッキリと細く見えるものです。
ワイド感がありつつも着こなしやすいシルエットなので、まず手に入れるならこのワイドテーパードがおすすめになります。
3.ワイドスラックス
読んで字のごとく、太いシルエットのスラックスのことです。
スラックスはセンタープレスという縦の折り目が入っていたり、きれいめな素材を使ったパンツのこと。
その中でも太いシルエットのものをワイドスラックスと呼びます。
フォーマルなアイテムであるスラックスをワイドシルエットにすることでカジュアルダウンしているのでバランスが取りやすく、着こなしやすいアイテムです。
4.ワイドデニムパンツ
こちらもそのままワイドシルエットのデニムパンツのことを指します。
カジュアルなデニムパンツをワイドシルエットにすることでさらにカジュアルにしているので、着こなしのハードルが高いアイテムです。
欧米人と比べて童顔だったり胴長短足だったりする日本人は、カジュアルすぎる着こなしをすると子供っぽく見えてしまいサマになりません。
他のアイテムをかっちりした雰囲気のものでまとめたり、パンツ自体のデザインに大人っぽい要素があるものを選んだりと、工夫しないと途端に子供っぽいやんちゃなコーディネートになってしまうので注意しましょう。
5.タックワイドパンツ
ウエスト部分にタックがあるワイドパンツのことです。
タックとは、布地を折り畳んでヒダにしたディテールのことで、腰回りにゆとりを持たせて動きやすくする役割があります。
画像のようにヒダが1つならワンタック、2つのものならツータックというように名称が変わり、タックが多く、折り畳んだ分が深くなるほど布の量が増えてゆとりが出ますし、ドレープという生地の動きが出やすくなります。
ドレープがあるとシンプルなデザインでも生地に陰影が出ることで地味な印象になりません。
しかし、いきすぎるとレディースのガウチョパンツやスカートのようになってフェミニンな印象も強くなってくるので注意が必要です。
ちなみに、ヒダがないパンツのことをノータックパンツと言ったりもします。
ここまで紹介したワイドパンツの種類はシルエットだったり、デザインだったりから来た名称で、「ツータックワイドスラックス」や「ワイドテーパードデニムパンツ」のように、合わせて使われることも多いです。
また、こういった呼び名はワイドパンツに限らず、様々なアイテムでも見られる名付け方なので、覚えていくと商品名を見ただけでもどういったアイテムなのかが理解しやすくなります。
ここで紹介した以外にも細かいデザインの違いでいろんなワイドパンツがありますが、だいたいこれを覚えておけば困らないでしょう。
夏でも着こなしやすいワイドパンツの選び方
先程、紹介したように様々なワイドパンツがある中で、どれを選べばいいのか分からないという方も多いでしょう。ここからは着こなしやすいワイドパンツの選び方を4つのポイントで説明していきます。
このポイントを覚えれば、簡単にワイドパンツを見つけることができるのでしっかり覚えてみてください。
1.シルエットはワイドテーパードを選ぶ
なぜ、ワイドパンツの中でもテーパードシルエットのものがオススメかというと、裾が細くなっていることで全体の印象がスッキリして、大人っぽく見えるから。
オシャレに見せるためには大人っぽさが重要で、大人っぽさの究極の形はスーツスタイルです。
セットアップやシャツなどのアイテム、艶のある素材や体にぴったりと合わせたサイズ感などで大人っぽさが演出されています。
ワイドパンツはシルエットがゆるいことで基本的にカジュアルな印象が強いアイテムなので、どこかで大人っぽい要素が入ったものを選ぶことが着こなしやすさにつながります。
そこで、裾がキュッと細くなっていて、すっきりとした見た目になりワイド感が軽減されるワイドテーパードのシルエットがぴったりなんです。
もちろん裾以外は太いためワイドパンツを履いてる印象が完全に消滅するというわけではありませんし、裾までドカンと太いワイドパンツと比較するとテーパードシルエットのワイドパンツである「ワイドテーパードパンツ」の方が履きやすさが段違いです。
特に、初心者や初めてワイドパンツに挑戦するという方はワイドテーパードパンツを選ぶことをオススメします。
2.素材は落ち感のあるものを選ぶ
落ち感のある素材とは重力に逆らわず、滑らかにストンと落ちるような見た目の素材です。
具体的には薄手で柔らかく、少し重みのある素材は落ち感があると言っていいでしょう。
逆にデニムのようにゴワっとした質感のものは落ち感がない素材で、ハリ感がある素材ともいいます。
落ち感のない素材は洋服自体のシルエットがそのままでるので、ワイドパンツだとドカっと太いシルエットが余計に強調されてしまい、カジュアルで男臭い印象が強くなってしまうんです。
落ち感のある素材だとストンっと地面に向かって流れるように落ちることによって、ワイドパンツだったとしても太い印象がかなり軽減され、着こなしやすくなります。
また、落ち感のある素材は、落ち感がない素材に比べて薄手で通気性も良いものが多いので夏に履くのにもぴったりです。
落ち感のある素材は同時に艶があることも多いので、コーディネートの印象をさらに大人っぽくすることもできますよ。
3.色は黒を選ぶ
これまでの項目でも、ワイド感が強調され過ぎないアイテムを選ぶことで着こなしやすくなるとお伝えしましたが、さらに、黒のワイドパンツを選べば、スマートな印象にすることができます。
黒は収縮色と言って細く見える色なので同じシルエットのパンツだったとしても黒のほうがより細く見えます。
逆に白や明るい色は膨張色と言って、実際よりも大きく太く見える色です。画像は同じ大きさで色が違う丸が並んでいるんですが、黒の方が小さく見えませんか?
夏だから爽やかな印象にしたいというときはトップスやシューズなどで明るい色を使うようにしましょう。
メンズは黒のパンツが圧倒的に多いので、夏でもそれほど違和感はないですし、太めのワイドパンツであったとしても突飛な印象を与えにくいというメリットもあります。
また、黒はスーツスタイルで最も使われる色で、他の色よりも大人っぽいフォーマルな印象を与えてくれる色です。
ワイドパンツでコーディネートした際も、強制的に大人っぽく見せてくれてバランスを保ってくれるので着こなしが簡単になります。
さらに、落ち感のある素材で色が黒だと艶感が分かりやすく、より大人っぽい印象にしてくれるのでとてもオススメです。
4.デザインは極力シンプルなものを選ぶ
切り替えやデザインがあるアイテムはそれだけカジュアルな印象になりますし、夏は他のアイテムもカジュアルなものが多いのでどうしても子供っぽいコーディネートになりがちです。
ただでさえゆったりとしたシルエットでカジュアル感のあるワイドパンツは、他の要素において出来るだけ子供っぽいイメージを減らした方が着こなしやすくなります。
またスーツスタイルを想像してみて欲しいのですが、素材の切り替えなどのデザインは無く、ポケットもついていますが見えにくいようなデザインになっていますよね。
これと同じように、できるだけシンプルなものを選ぶことで、ワイドパンツであっても大人っぽく見せることができるんです。
また、デザインがあるとその部分が目立ちやすいため、コーディネイト全体においてパンツに視線が集中します。
これによってパンツのワイド感がより目立ってしまい着こなしのハードルが上がるというわけです。
なので、デザインは切り替えやポケットなどの無いシンプルなものを選びましょう。
以上、4つがワイドパンツを選ぶときのポイントになります。
これを意識することでコーディネートがグッと簡単になるので、ワイドパンツを探すときはぜひこの点に注目してみてください。
ワイドパンツでトレンド感のある夏コーデをしよう!
コーディネートに取り入れるだけでトレンド感がある着こなしができて、雰囲気もガラッと変えられるワイドパンツ、履いてみたくなりましたか?
この記事を読んだ後なら選び方や着こなしで失敗することもないでしょう。ぜひ夏のコーディネートに取り入れてみてください。
ということで今回はワイドパンツの夏コーデについて紹介しました。
読んでいただきありがとうございました。
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